「三田君ってオムライス上手だね」
『お兄ちゃんは料理なんでもできるんだよ!』
あたしが三田君を褒めると、美鈴ちゃんが嬉しそうに言ってくる。”料理が上手”--さっき美鈴ちゃんが言っていた言葉だ。本当にその通りだと思った。
『そんなことないって』
それに対して、なんだか照れくさそうな三田君だった。
「オムライスって難しいわよね、あたし作るの苦手」
『卵が一番難しいっすよね』
あたしもオムライスを作るのは苦手だったから、こんなおいしいのは久々に食べた気がした。
『私もオムライス作れるようになる!』
『教えてやろうか?美鈴』
『うん!』
『じゃあ今度な!』
こういう兄妹の姿を見ると、暖かくなる。心の中が自然とポカポカしてきて、羨ましいって時々思ってしまうのだった。
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――龍 side――
『ちょっと龍ー!』
「んだよ!てかまだいたのかよ!帰れよ!」
『ひっどーい!久々だってのに』
「何が久々だ!」


