「え!?」
あたしは突然の美鈴ちゃんの言葉に、少し変な声で驚いてしまう。
『お兄ちゃんのこと好きなの?』
「そ、そんなんじゃないわよ?三田君はただの後輩!」
『でもお兄ちゃんは、違う感情持ってたり!』
「それはないと思うよ?」
『そうかな~、お兄ちゃんが女の人連れてきたの雅お姉ちゃんがはじめてだよ!』
「えっ!?」
美鈴ちゃんの言葉に、またもや驚かされてしまうあたし。驚いているあたしに構わず、美鈴ちゃんは、三田君の恋愛歴を話し始めたのだった。
聞いた話によると、三田君は部活と家事の手伝いが忙しくて、中学時代は本当に彼女がいなかったらしい。それでも、「お兄ちゃんは優しいし、料理も上手で」って美鈴ちゃんがベタ褒めしていた。美鈴ちゃんが三田君のことを大好きなのがよくわかった。
『雅お姉ちゃんみたいな人が、お兄ちゃんの彼女だったら嬉しいのにな~』
「え…っと」
美鈴ちゃんは、三田君を褒めた後、あたしにそう言って満面の笑みを向けてきた。
そんなとき、キッチンの方から三田君の声が聞こえてきた。
『はーい、できたよー!』
「あ!あたしも運ぶよー!」
『あ、雅お姉ちゃん逃げたっ』
三田君が2つお皿を持ってくると、私はささっとその場を立ちあがりキッチンへど足を急がせた。美鈴ちゃんの言うとおり逃げたのだった。
『先輩いいっすよー!』
「大丈夫大丈夫!」
すぐにもう1つのお皿とサラダを持ってきた。


