キッチンへとすぐに移動した三田君は、買い物袋から食材を取り出し、夕飯の支度をし始める。
『あ、先輩!先輩の買い物したの今は冷蔵庫に入れておくんで、帰るとき渡しますね~』
「え!ありがとう!」
とても気の利く三田君にお礼しか言えないあたし。ほんとにさっきから、三田兄妹に気を遣わせてばかりで申し訳ない。
三田君はもう一度キッチンの方から顔を出し、話しかけてくる。今度はあたしにではなく、美鈴ちゃんにだった。
『美鈴ー今日オムライスだけどいいよなー?』
「うん!私オムライス大好きっ」
美鈴ちゃんは、大きな声で答えると、すぐにあたしの方へと向いてきた。
『ねぇねぇ!お姉ちゃんの名前なんて言うの?』
「あたしは逢坂雅、名前言うの遅くなってごめんね」
『ううん、大丈夫!!ねえ、雅お姉ちゃんって呼んでもいい?』
「うん!」
一気に美鈴ちゃんと距離が縮まったようで嬉しくなるあたし。そんなあたしに美鈴ちゃんは、近づいてきて、今度はさっきよりも小さな声で話し始めた。
『雅お姉ちゃんは、お兄ちゃんのことどう思ってるの?』


