「あーもう、そういう所がずりぃんだよなぁ。」

隼人はそう言って、自分の顔を手で覆った。

ずるい?

「なにが?」

そう聞くと、彼は少しだけ手をずらして、横目に私を見る。

「・・そういう素直なとこ、ちょーすき。」

今度は私が、顔を赤くしてしまう番だった。

不意打ちすぎるよっ・・!

あまりにドキドキしてしまって、思わず身体を反転させる。

ダメだ、こういうの久しぶりすぎて、どうしていいかわかんないっ。

「彩美ー?なんでそっち向いてんの?こっち向けって。」

「や、無理っ。」

「なんで。」

「隼人・・、変なこと言うから。」

後ろで彼がぶっと吹き出したのがわかった。

し、失礼な・・・!

「変なことなんかじゃねーだろ、本音なんだけど?」

「わかってるよ。でも・・」

恥ずかしいよ!

「ま、いいや、そのまま聞けよ?」

隼人が後ろから、私を抱きしめる。

「俺、お前のそういう素直なとことか、昨日言ってたけど、まぁ悪く言えば子供っぽいとこ?がすきだったんだよ。すごく、羨ましかった。
いつだって彩美は、自分の気持ちに素直で、嘘さえうまくつけなくて、なのにたまに大人っぽいから、俺はもうノックアウトでしたよ。」

おどけた風に、隼人は自分の気持ちを話す。

「でも、4年前は、俺にも不安はあったんだ。」

え・・?

「初めて女に、本気になったから。」

初めて?

「それまでは、彩美には言ってなかったけど、ロクな付き合いしてこなかった。」