二人で大学生になれると思っていただけに、ショックだった。でも彼はあたし以上に、ショックを受けていた。

合格発表後、会って彼が初めて口にした言葉は、「ごめんな」だった。



彼は、もう一度浪人することになった。

あたしは晴れて、大学生になった。


分かれたふたつの道。


なんだかわからないけど、不安だった。


そしてその不安は、見事にあたしたちを引き裂いた。




あたしが、負けてしまったのだ。




彼がいないと駄目な女には、絶対になりたくなかった。

なのにあたしはまさに、そんな女になりかけていた。



彼がすきで、彼の優しさに甘やかされて、いつの間にか彼に依存しすぎていた。



このままじゃあたしは、自分にとっても、彼にとっても、足手まといになる。



そう思った。



すきなのに、別れの言葉は驚くほど味気なかった。


泣きながら、アドレスを消した。


彼と会わないように、予備校のある駅ではもう二度と降りないようにした。


あたしの選択は、間違ってない。
彼はきっと、あたしがいなくても、幸せになってくれる。



そう思うことでしか、自分を立て直せなかった。