まるで、二人の間には4年の歳月の開きなんかなかったんじゃないか。

あんな別れなど、なかったんじゃないかって。


だって、隼人は今あたしの隣で、笑っているから。


「俺・・・お前のこと、忘れたことなかったよ。」


けど確実に、隼人は過去を話してる。あたしに対して、過去を求めてる。


今なお、隼人の今を望むあたしは、隼人の未来を望むあたしは、おかしいんだろうか。

それともあたしは、過去の隼人を美化して、勘違いしているだけなのだろうか。


「あの日、お前からいきなり、別れようって言われて・・・訳も分からず、頷いたこと、ずっと後悔してた。もっと・・・、ちゃんと俺の気持ち、伝えておけば良かったって。」


なかったことにしてしまいたい。
あの日のあたしの決断など。


隼人にこんな顔させるくらいなら、今すぐ消してしまいたい。


「ずっと、知りたかったんだ。お前がなんで・・・いきなりあんなこと言ったのか。俺は、間違ってたのかなって・・・ずっと、気になってた。」


間違ってなんかないよ!

そう言いたかったけど、うまく言葉が出ない。

「女々しくてごめんな。」

隼人は続けて、そう言った。


そんなこと、ない。

うまく言えない自分がもどかしい。


あの時の別れの理由は、一言で言うには足りなかった。


それに、再会した今の隼人を目の前にして、まだ好きだという気持ちがあるのに、その理由を言うのは辛い。


全て、自業自得なのに。