【短】口悪男

「誰でもいいだろ。お前には関係ねーよ」


あからさまに隠そうとするその紘子さんは、武蔵にとって大事な人なの…?

確かに関係ないかもしれないけど…。


何でだろう?

胸がズキッてする。


トボトボ歩いていると、高校の門の前に着いた。

あたし…何してんだろ。


「はぁー…」




そんなとき、急に武蔵に腕を引っ張られた。


「キャッ…な、何!?」


「ちょっと黙れ」


強引に路地の隙間に押し込まれる。

しかもその狭い隙間で、抱きしめられてる形になってるし…!!


「む、武蔵!?」


気が動転して思考回路がグルグル巡るあたしに対し、武蔵は声を潜めて言った。