【短】口悪男

そしてまたしばらく無言で歩いた。

キョロキョロすらしない武蔵は、あたしの携帯を捜す気があるのか…。


そんなとき、あたしは懐かしいお店を見付けた。


「ねぇ武蔵!!久しぶりに行かない?」


グイグイ武蔵の服の裾を引っ張る。

そうでもしないと無視されそうだったし。


「あ?…駄菓子屋?」


そう、それは小学生の頃よく通った駄菓子屋さん♪

武蔵と歩いてるせいか、久々に入ってみたくなった。




「……しゃーねーなー」


そうは言いながらも、ちょっとうれしそうじゃん。


「うわっ…懐かしい」


店内はほとんど変わってなくて、テンション上がる。


「あ、これ昔大量買いしたなー」


これって言うのは、一口サイズの黄な粉餅。

つまようじの先が赤くなってたら当たりで、もう一個もらえるの。