「さようなら、月代

さようなら─…」




そういって去っていったあの人をあたしはまだ忘れられずにいる。




「…いやだよ、いやあ!!

置いていかないで!
あたしも連れてって!!」




泣き叫ぶことしかできなかった。



受け入れられるはずがなかった。




大好きだった。



あたしはあの人が大好きだった。




忘れられるはずない。




だって、どちらも大切だから。





あたしは彼女を映す鏡。




ねぇ、花絵?




それはあなたを、裏切ったことになるのかしら?