【短編】意地悪炭酸ベイビー


そして、フワッと優しい空気に包まれた。

あたし、先輩に抱きしめられてる……



「離して下さい」

「離さない」


抵抗するが、先輩はびくともしない。

ゆっくりと体が離れたかと思えば、先輩の顔が近付いてきた。


先輩の唇とあたしの唇の間が数センチというとこで、あたしは先輩の体を押した。


「駄目っ!!」

拒否られると思っていなかった先輩は、驚いた顔をしている。


泣いてしまいそうになる。

だけど、泣いちゃ駄目……


「彼女いるのに、駄目ですよ」


きっと今のあたしの顔は最悪だと思う。

今にも泣きそうな顔で、無理矢理作った笑顔。


ほんと、あたしって嘘下手くそ……