先輩の彼女だったら。


馬鹿みたいな妄想は虚しくなるだけ。

こうやって隣に並んでるだけでも、感謝しなきゃ。




そのあと、先輩はあたしの家まで送ってくれた。


「すみません。わざわざ送っていただいて」

「気にすんな」


くしゃっ、と先輩はあたしの頭を撫でた。


「じゃぁな」

そう言って先輩が去ってからも、その場から動けず、頭の温もりを感じていた。