【短編】意地悪炭酸ベイビー


先輩は、ふーん、と言いながら、あたしから離れた。


そんな先輩の腕を掴もうとして、引っ込める。

何しようとしてんのよあたし。


今ちょっと離れて寂しいとか思わなかった?

今先輩は手を伸ばせば届く距離にいるけど、実際はそんなことなくて。


手を伸ばすことすら出来なくて。

ただこうやって話してるだけでもすごいことなのに、ついそれ以上のことを望んでしまう。


“キスをするだけ”の関係。

しかも先輩の気まぐれ。


“セフレ”なんて大袈裟すぎるけど、でもほんとにそんな感じ。


ただ違うのは、あたしが先輩のことが好きだということ。