「木琴、そこ違う!!」



音楽室に、うるさい先生の声と、


木琴の不協和音が響く。




・・・只今、音楽室でミニコンサートの練習中。


しかも、6年生が全員集まる合同音楽。


今、練習していた曲は、


魔女の宅急便より、『晴れた日に・・・』。



先生のお説教が続く中、


ピアノ担当の私は、


リコーダー担当のあなたを見ていた。



・・・柿沼 光輝。



音楽室の大きな窓から、


真昼間の光が溢れんばかりに差し込んでくる。


そのせいで、音楽室にいるみんなの顔が優しく照らされている。





・・・ミニコンサートの練習か。


そんなのしてたら、


もう卒業だってこと、知らされてるみたいじゃん。




みんないっしょに卒業して、


みんないっしょに中学生になって、


みんなそれぞれ高校生になって、


みんなそれぞれ大学生になって、


みんないっしょに成人して、


・・・みんないつかは就職して。




たくさんたくさん歳を重ねていっても、


男女友達のこと、


そしてあなたのこと、


覚えてられるのかな??