感情の樹



『ケイトって言うの? 似合ってるわ。』


ローラはぼくに微笑む。


『君もね』


表情を作らず
一言返す。


『ケイトはどこから来たの? この近くに住んでるの?』


『違う。 どこか遠くから来た』

『遠く、って? どのくらい?』

『わからない。 君が知らないところ』


ぼくはそっけなく返す。
ローラは興味津々の様子で、
ぼくに質問ばかり
繰り出してくる。