感情の樹



『…君に、これをあげるから、大切に育ててみてください。』


おじいさんは、ぼくに何かの種を握らせた。


『…種?』


おじいさんは、
優しい顔でぼくを
見て去っていった。


『…』


せっかくもらったんだし、
とっておこう。

ぼくはその種を
服のポケットに入れた。