感情の樹


『感情は、あったほうが楽しいですよ。』


おじいさんは
しわくちゃな顔を
さらにしわくちゃにして
ぼくに微笑みかける。


『…』


…楽しい?

何が楽しいんだよ。

ぼくには、悲しいと
思った記憶しか
思い出せない。