そんなある日。
授業を抜け出して保健室に行ったら
クールな先輩が泣いてた。
光に当たって光る涙と
風に揺れる赤い髪にドキッとした
《…あ。》と2人のタイミングバッチリで重なる声
男の涙は見ちゃいけないって思ってたけど
泣いてる理由が気になってしまい聞いてしまった。
「な…なんで泣いてるんですか?」
しばし沈黙した後、
「泣いてねえから」って言って先輩は背を向けた
もう少し近付いて
「泣いてます!」って言った。
「泣いてねえ」
「泣いてる!」
「泣いてねえ、」
そっぽ向いてる先輩に
「だったら、こっち向いて下さいよ」って問い掛けた

