「直矢……」
あたしは呟くように名前を呼んだ。
呼んだだけで胸が苦しくなるほど、あたしは貴方が好き……。
「よかった……もう連絡できないかと思った。」
直矢は力が抜けたように言った。
「直矢……?あのさ…?」
あたしは震えながらケータイを持っている左手を右手で押さえた。
そして目をぎゅっと閉じた。
「ん?なに?」
もう伝えて諦めるんだから……。
「あたし……直矢のこと……好きなの」
半泣きになりながらも気持ちを伝えた。
“え?”と直矢が声をあげたのも無視した。
「好き……ック、好きぃだよ……」
ずっと伝えたかった思い。
答えはわかってるけど、ちゃんと伝えたよ?



