悲しみがいきなり変わるなんて、おかしいよね?
でも…今のあたしには嬉しすぎて泣きそうなんだ。
大好きな直矢からのメール。
会いたいという言葉。
全てが愛しい。
「雛?」
後ろから奈々香の声がして、我にかえった。
「ごめんね!奈々香わざわざ来てくれたのに…」
奈々香ほっといて、あたしなに一人でひたってんの?
あたしが下を向いていると、奈々香が大きな溜め息をついた。
「だからおまえはなにも気にするな。あたしが来たかったから来てるだけだ。」
奈々香は無表情でそういった。
その無表情でも、あたしには奈々香の優しさが伝わってきた。
「ほら、今日はうち泊まれ。一人でいて死なれたら、あたしが困る。めんどくさいしな」
奈々香のめんどくさいにはつけ加えた感があって、また優しさだってわかった。



