…………プルルル。
いつのまにか寝てて、電話の音で起きた。
泣き腫らした目が痛い。
そのままあたしは電話にでた。
「…………」
ただ無言のまま受話器をとった。
「雛か?」
「……奈々香?」
受話器からは優しい奈々香の声が聞こえた。
「……なんかあったか」
奈々香はあたしの声からなにかさとったのか、そう聞いてきた。
「ちょっと待ってろ。」
奈々香はそういうと一方的に電話を切った。
そしてその数分後、あたしの家にやってきた。
いつもなら、なんでこんな早くこれるんだろうって思うのに。
なんかそんな気分にはなれなかった……。
あたしが赤くなった目を必死に細めて、無理に笑うと奈々香は苦しそうな顔をした。



