必需品という物すべてが消えていた。
あたしはその場にしゃがみこんだ。
「あは………ははは」
あたしは……捨てられたんだ。
お父さん、お母さん。
二人からあたしは捨てられた。
涙もでてきたけど、あまりの出来事でもう笑うしかなかった。
ぎこちない笑いが部屋に響く。
……笑いがだんだんおさまってくると、もうむなしさしか残らなかった。
「……捨てられた」
急に実感がわいてきて、極度の不安に襲われた。
そして、おばあちゃんちやしんせきの家。
いろんなところに電話をかけた。
それでも……お父さんとお母さんはいなかった。
二人のケータイもつながらない。
どうすることも………あたしには出来なかった。



