あたしは小さく頷いた。
「そっか……ごめんな?」
直矢のごめんは本当に気持ちがこもってた。
でもね?そのごめんが、「おまえじゃだめなんだ」って言われてるようで悲しかった。
体を離し少し潤んだ瞳で直矢を見つめる。
すると頬を直矢の細い指先がなぞった。
「キスしてもいい?」
直矢の整った顔がすぐ目の前にあって、あたしは少し視線をそらした。
そしてきちんと直矢を見て「うん。」と返事をした。
返事をしてすぐに直矢のキスがあたしの唇に降ってきた。
初めてしたキスみたいに緊張してた。
あたしの唇を端から壊れ物みたいに繊細に扱う直矢。