そして、すぐに違う人物に電話をかけた。

『モニカ、すまないが調べて欲しい事がある』
<OK、何かしら?>
『J・バイオ・ケミカル・コーポレーション』
<それはまた、大きい所ね……>
『済まないが、頼んだぞ』

 そういってベリルは電話を切り、コーヒーを一口飲んでいる。

 アザムは調べて欲しいといわれた場所が“たぶん”自分が引き取られていた場所だと名前から読み取ってわかった。 “製薬会社”という説明しかレイには受けていなかったのだ。濁されていた気分になり、食事の手が止まる。

「アザム、冷めるとピザは食べにくいから、さっさと食べてしまえ」
「えっ?あ、うん」

 ベリルなりの気遣いは理解できていないアザムは、言われたまま、口に運び食事を終らす。

 会計を済ませ外に出る二人。車に戻るために歩いている。

「もう、結構な時間だな……とりあえず今日の泊まる場所を探す」

 空を見上げながら話すベリルと、つられて空を見上げるアザム。