外が暗くなっても園内はライトアップされているのでアザムが疲れるまで庭園を歩き花の説明をしてやるレイ。
 他人から見たら兄弟のような親子のような不思議な姿。
 
「疲れたけど久々の外は楽しかったー! 二日間は部屋にずっと居たし、ここに来てからも建物の中しか見れなかったしね」
「そうですね……けど明日はドライブにも行けますからね」
 
 
 二人はそう話しながら建物に入りエスカレーターに近づく。
 
 ティーロとレイは視線だけで会話を交わすように見ながらも、いつもと同じ決まりきった行動を共に見せた。
 
 そして社内レストランでムニエルをもらい、アザムの部屋に戻り二人で食事をする。

「食事も終りましたし、一日歩いたから疲れたでしょ? 説明も私も久しぶりで熱く語ってしまって。そうそう花や草、‘石’にもちゃんと意味あるんですよ」
「そうなんだ! レイさんはいっぱいいろんな事を知っているんだね!」
 
 そう言ってアザムは、真っ直ぐな瞳でレイを見る。

「とりあえず、明日は九時半には迎えに来ますので今日は寝てください……だって食事中、うつらうつらしてましたからね」
「むっ……し、してないよ!」
「あはは、じゃあ私の見間違いですね。けど、明日がいつもより早いのは本当ですから」

 そういうとアザムがシャワーを浴び、ベッドに入る事を見届ける。

「おやすみアザム君」
「レイさんおやすみなさい」

 レイはその後、食器を持ってアザムの部屋を後にする。

 レイは自分が‘偽り’でする行動と‘真実’でする行動の用意をするために自室に戻った。