もう一人二人の後ろに立つ男性が居る。
  
 名前は‘ガルナ’。いかにも護衛という感じで、黒いスーツで、サングラス。
 茶髪の短髪男性は、レイという青年より少し年上だ。

 その格好で体格も大きく怖い印象がある。此処までの二日ほど旅の間、ほぼ無言で妙に威圧感を放っていた。


「じゃあ、行きましょうか? きっと向こうもアザム君に早く会いたいでしょうから」
 
 一瞬Tシャツごと胸の辺りを掴んだがすぐに放し、節目がちにだが首を縦に振った。 
 
 アザムとレイは並んで無言で歩く。少し後ろから付いてくるガルナ。

 レイはこの大きな建物の入り口を鍵で開き、アザムに入る事を促がす。
 戸惑いながらも入ったアザムを確認すると、次にガルナが入った。

 レイは一度曇り空を見上げてから、ヘリポートと繋がる扉と鍵を静かに閉めた……――