ノックをしてカードキーを通したらその音でアザムは扉を開く。レイは荷物を置くために一度部屋に入る。

「おはよう、アザム君」
 
 薬の作用の事も少し気になったので、腕を確かめたいのもある。
 半そでのシャツを着ているので、見てすぐに分る。腫れ等も無く問題は無さそうだ。

「おはようレイさん。あ、本当にゲーム持ってきてくれたんだね」
 
 笑顔で挨拶を交わすアザム。

 とりあえず配線だけはしてやり、子ども一人で出来そうなゲームをいくつかテーブルに並べながら話すレイ。
 
「社長にゲーム機持ったままの姿では怒られますね。昼からは一緒にゲームしましょう。調子はどうですか?」
「あ、昨日はすぐに寝ちゃって……ガルナさんか誰かが夕食も朝食くれたみたいだけど。朝食すでに冷めてた」
 
 少し前に起きたのだろう。アザムはまだ身だしなみが整ってはいなかった。

「そうでしたか、眠くなる人も居ますからね。それで、ちゃんと朝食は食べたのですね?」
「ハムエッグが冷たくて美味しくなかったけど、お腹はすいていたから……」 
 
 レイはアザムと会話しながら、スーツの襟などを整えている。

「では社長室に行ってきますね。朝の間に仕事も終らして、一緒にゲームをしましょうか? だから昼食はサンドウィッチとか手軽な方が良いですね」