自家用ヘリがネブラスカ州にある都市、オマハの郊外に向っている。

　
　空の上からでも確認できるくらい、広大な土地とその中心に巨大な建物が見えてくる。建物からは少し離れた場所にヘリポートがあり、ヘリは着地点の目印に着陸。

　ヘリからは少年が一人と、大人が二人降りてきた。

「あのレイさん。ここ何処?」

　辺りを見回しながら、少し特徴のある英語でぶっきらぼうな話し方をする少年。
　普通の家を想像していたため思わず口にした。

「ここにアザム君を引き取りたいって人が居るのです」
　
　レイと呼ばれた男性は、明るめの紺のスーツ姿。
　瞳も髪も黒色で髪は少々長めなため、軽く束ねている。
　
　とても世話好きで人当たりのよさそうだが細身で実年齢は三十手前なのだがもっと年上に見える。
　
　アザムと呼ばれる少年は、褐色の肌にダークブラウンの肩くらいまでの髪に、髪色より少し明るい瞳。
　格好はTシャツにパーカー、ジーンズ姿。見た雰囲気、言葉使いからして人との付き合い方に少々問題がありそうである。