俺は彼の作る朝食の匂いで目を覚ます。
寒い時は彼が起しに来るまで起きないが、大抵は起きている。やっぱりこの広い部屋は未だに慣れないし、早く彼に会いたい。

俺はベッドを抜け出して、奥の金庫のような扉の前に行く。この扉は堅く、重くて俺には開けられない。なので横についてる鉄棒でガンガン叩く。

するとカッカッカッカと階段を下りるリズミカルな音が聞こえて来る。ギギッとドアが開き彼の真っ黒な姿が現れる。