「ふみゃぁ~…」

俺のへなへなの声を聞いた彼は楽しそうに頬を緩めていた。そうして俺が元に戻るのを待つ。

「パパンのばか~」

まだ少しクラクラする頭でそう訴えつつ俺は彼の頬に触れるだけのキスをした。
彼の言う朝のあいさつなのだ。

ちゅっちゅっと音を立てて両頬に。それから彼の肩にポスリと頭を預ける。朝から体力を使ってぐったりだ。彼は俺の髪に一つちゅっとキスを送る。

「心臓の鼓動が早いな」

「うーん?」

彼は俺の耳元で囁くように言った。
何かひっかかる言い方だったが、俺はさして気にする事はなかった。