彼は俺の顔を覗き込むように身を乗り出した。

「俺と来るか?」

「うん?」

「今、帰らなきゃ俺はお前を手放さないぞ?」

「よく、わかんないけど…俺パパンをひとりぼっちにはさせないよ?」

彼の目が大きく見開かれた事に何の疑問を持たないで俺は「独りは寂しいもんね」と続ける。
彼は肩を震わせて笑った。
腹を抱えて、おかしくてたまらないとでも言う様に。


「ああ、いい子だな。ユウ」


そう言って彼はポケットから何かを取り出した。

「なにそれ」

「いい子のユウにご褒美だ」

「きれー!」

彼が取り出したのは涙の形をした緑の石だ。とてもキラキラと光っていて綺麗な石だった。

それは紐が通してあり、ネックレスになっていた。それを俺の首にかける。
だが、そこで俺はアレ?っと思った。どこかで見たことある。