その話は街中に広まったが、一斉に夢でも見たんじゃないかと笑い話にいつしかなっていった。

ただ、ネオードだけは二人を必死に探した。
三日程、寝ずに探したが二人を見つける事は出来なかった。


そうして一ヶ月がすぎ、ネオードは二人がいない事を受け止められずにこの家に向う事が出来なかった己を叱りつけ、今に至るのだった。


「どこに……行っちまったんだ……二人とも……」


目を閉じれば二人の姿がこんなにも鮮明に浮かぶのに!それなのにまるで幻だったかのように二人は消えてしまった。


「ロード!!」


自分の一生の殆どを共に過ごした友の名を呼ぶ。しかし、返事が返って来るはずがなかった。


「俺は、ユウがいればお前は変われるんだと思っていた!!ユウがいればまた新しく生活が出来るんだと思っていたんだ!!」


ユウがパパンと言った時あいつは見た事も無いような優しい笑顔を向けていた。
ユウと一緒にゼリーを作り出した時。俺は夢か幻覚を見ているような気分だった。


納得が全然いかなくて。

でも、俺もつられて笑うようになって。

輝くように日々は過ぎて。



それはまさに。幸福だった。



「俺は、どうすれば……どうすればよかったんだ……どうしたら、俺も連れて行ってくれたんだよぉおおお!!!!」


(ちくしょ、ちくしょおお!)


ネオードは膝をついて、涙を流し、その地を叩いた。
やるせなさだけが心を支配していた。


ブワッと広がるような風が吹き、ネオードの前髪を掻き揚げた。