要約、街の入り口が見えて来た。ユウはそのまま街を突っ切って、街を出て行こうとしていた。だが、馬の蹄の音にいつも馬を預かってくれる中年の男が出て来た。

「おーい、こらこら。止まりなさい」

中年の姿に、ユウは仕方が無く、馬を止める。

「こーら、街に馬は駄目だぞ。知ってるだろ?」

「緊急なんです!!」

ユウの切羽詰った様子に、中年は溜息を一つ吐いて言った。

「街を出るのか?」

「はい」

「でも。ここは通すわけには行かないよ。どうしてもってんなら、ここで馬を降りて街の裏まで来なさい。そこまでこの馬俺が連れてくから。そこからなら自由だよ」

ユウは渋々馬から降りてランを渡した。

「というか、お前さんその格好……」

「ごめんなさい!急いでるんです!!」

ユウはまたすぐに走り出した。こんな事をしてはいられない。
早く逃げなければとユウは走る。

「お、おい!」

中年はユウを止めようとするが。ユウは振り向かず走り出した。