「ユウが、『疑問』に思った時。俺達の誤魔化しは通用しないぞ。寧ろそれは『疑惑』になる」
ネオードが言いたい事もよくわかった。
今は曖昧だからこそ、ユウは何も言わないが、俺達への疑問が深まれば深まる程、それは、真実を求めたくなるのが人間の性。
「だから、どうしろって言うんだ?」
ネオードは俯いて、キリッと何かを決心したように俺を真っ直ぐに見た。
「やめよう!!」
「何?」
「もうやめるんだ!こんな事!新しい人生を歩めばいい!!あいつらは恐怖に怯え切っている!!あいつらのために今の幸せを壊すのか?!違うだろ!今大切なのはユウだ!そうだろう?!」
一気にまくし立てるネオードに俺は唖然とその必死の姿を見た。
「だが……」
頭に浮かぶのは、やはりレオン。
「俺はフィルを奪われた事は悔しい!憎い。だが、レオンもフィルも今生きてる俺達にこんな事を望んでいるか?!思い出せ!!お前の弟は本当に兄にこんな事をしてくれと思っているのか?!!」
迷っている俺にネオードはガシリ!と両肩を掴んだ。
「いいか、お前のやっている事はレオンのためじゃない!レオンのためだと思い込んでいる自己満足だ!!」
ズキリと胸が痛んだ。図星をつかれるというのか、これを。
「お前の今の幸せは、ユウだろう?」
痛いくらい掴まれえいた肩がスッと柔らかくなった。トクン、トクン。と穏やかな心音が鳴る。
「そう、か。そうだよな……」
「ロード!」
「ああ、お前の言う通りなのかもしれない」
ネオードはそんな俺に満足そうに頷いた。
そして俺達は、遠くから大きなバスケットを抱えて駆けてくる可愛い子供を出迎えた。


