My fair Lady~マイフェアレディ~

食べ物は完全に無くなっていく。

男達もどんどん痩せこけていった。

木も減り、家の中も寒くなっていく。


隠していた食べ物はほぼ幼い子供にやった。白く上がる息。何ども何ども兄弟の身体を擦る。



手で抱き込むその身柄はまるで骨のように細く、抱いている気がしない。

寒さで足の指の感覚はなく、手も真っ赤になっていた。
声すら出せない……。


そんな時、馬の鳴き声が外に響いた。続いてカラカラという音。恐らく馬車だろう。
男の一人が玄関に向う。ロードも耳を済ませて声を探った。


「なんだ、こんな所に人が住んでいたのか」


低い、中年くらいの男の声だった。

ロードはその声に興味を無くして目を伏せた。他の兄弟達も同じように目を伏せる。
声だけが聞こえる。


「おい、アンタ。俺達はこの通り餓死寸前なんだ……頼む。食べ物を分けてくれ……」

男は必死になって頼み込んだ。

しかし、向こうも。はいそうですか、というわけには行かない。

「おいおい。そんな余裕あるもんか。………そうだな…交換条件なら」

「どんなだ?」

中年の男は少し考えたように黙ると、うん、と頷いて言った。

「そうだな。女の子はいないか?ちょっと内臓が必要なんだが」


家の中にいた男達が一斉にニヤッと笑った。