山に向かった一家達は大変仲が良かった。

その二つの一家の妻同士が幼馴染だったために、交流が深かったのだ。


お互いに子供が二人ずついた。

黒髪の艶やかな長髪にキリリとした目の美しい妖美といった感じの女性と同じく黒髪の短髪でスーツの似合う堂々とした男の間に生まれた子供は。

長男をロード。次男をレオンといった。

ロードは父にも母にも似て美しく堂々とした、凛々しい男の子だった。
レオンは丸目でどちらとも似つかない、可愛らしい印象で、家族の中で言えば兄に似ているといった感じだった。

違うのはその身を纏う空気と、切れ長の目くらいだ。



もう一組の夫婦は。

流れ煌くような眩しい金髪でフワリと広がる長髪の水色の瞳のよく似合う、女神のような女性。
少し癖毛な茶色の髪と気の弱そうな顔に似合わず濃く自己主張した紺色の瞳とそれを隠すように掛けられた眼鏡の男だ。

その間に生まれた子供は。

兄をネオード。もう一人は妹でフィルといった。

ネオードは母によく似た眩い金髪だった。
母と父を混ぜたような、母より少し濃い青の目をしている。

フィルは父によく似た濃い瞳とハシバミ色の髪をしていて、どちらかと言うと父を色濃く受け継いだ印象だった。