My fair Lady~マイフェアレディ~

二日後に俺達は街に来ていた。
変らぬ、穏やかで賑やかな町並み。

腹が完治していない俺は車椅子で移動をする。後ろで彼が俺を押してくれるのだ。


いつも買わないようなホッとドックとコーラを買って(彼はコーヒー)二人で食べ歩き。

本当にいつもと違う行動。


色違いの帽子を買って。アイスクリームを二人で一つ食べて。コーンの部分を少し千切って小鳥に撒いた。

バサッと鳥が空を目指し飛んでいく。日差しの中に翼の影が俺達を彩っていく。
青い空。今日は雲がない。

俺の車椅子姿にみんな気を使ってか、あまり近づかないし。お婆さんなんかは蜜柑をくれたりした。俺の膝の上に三つの蜜柑。

今年のは甘いのかなって考えて彼を見れば「フルーツを少し買ってくか?」と聞いてきたので俺は「うん」と頷く。



どうしてだろう。


こんなにも穏やかで愛おしいはずなのに。



いつもみたいにはしゃいでいればいいのに。



どうして、こんなにも苦しくて。切なくて。


涙が零れそうになるのかな…?


青色の空が目に沁みた…。