俺はそこで要約、ネオードが俺のテーブルの上の皿を払い落とした事に気付いた。
中身が床に散らばっている。

「ネオ……」

掠れた声で呼び、ネオードの服を引っ張った。それに気付いてネオードが俺の方へ視線を移す。

「ユウ……」

悲しそうに俺を見て、次に眉を顰めた。

「お前、その手はどうした?」

「え?」

俺の手の平の包帯を見てネオードが低い声を出した。
長袖と長ズボンに覆われて傷が手の平しか見えない。

「………」

黙って俯く俺にネオードはまた彼に悪鬼のような顔を向ける。

「……答えろよ…ユウは熱で…寝込んでいたんじゃないのかっ!!」

「熱を出したぞ。二日も寝込んでいた」

「じゃあ、あの傷はなんだ!?」


ネオードの拳がブルブルと震えていた。

「ネオ…」

やめて、と手を延ばしたが腹を捻った瞬間恐ろしい激痛が走った。

「ぐっ……!」

俺はそのまま椅子から落ちて床に転がる。

「ひぐっ……」

落ちた衝撃でさらに激痛が体中を巡った。
ネオードはそれに慌てて彼を離してしゃがみ込む。彼はぐいっと服を直して横目で様子を見ていた。

「大丈夫か?!」

ネオードが俺を勢いよく抱き起こす。俺はそれにまた激しい痛みを覚え蹲った。
痛みに唸る俺をネオードは困惑したように見ていた。

だが、次の瞬間ネオードはハッとして、ガバッと乱暴に俺の服をまくった。
ネオードは俺の身体の夥しい包帯を見て一瞬固まったかと思うと、その拳で思い切り。

彼を殴り飛ばした。

彼は殴られて吹っ飛んだが直ぐにムクリと起き上がった。顔を赤く腫れて鼻血が出たのか手で拭っている。