「パパン!!パパン!!」

泣き叫んだ。誰か、いないのかと。
だが、己を知っていて、救いを求める人物はこの世に一人しかいない。
名前を呼べるのは一人だけ。

「パパン…うえっ…う…パパァン!!」

バン!!っと大きな音を立てて遠くから扉が開く音が響いた。
それからカッカッカッと革靴で早歩きをしてくる音。段々大きくなってそれから俺の目の前に大きな影ができる。そしてシャッ!と勢いよくカーテンが取り除かれた。


「どうした!?ユウ!」


慌てたのか、少し息の荒い彼を俺は目を思い切り見開いて凝視した。
それから俺は目尻に涙を浮かべて彼に飛びついた。彼は下っ腹辺りに飛びつく俺を驚きながらも優しく抱きしめた。

「どうしたんだ?何かあったのか?ん?」

頭をくしゃくしゃと撫でられる。涙がどんどん溢れて来る。
悲しみや恐怖じゃない。
嬉しいんだ。