目を覚ますと、ベッドに横たわっていた。
とてもとても大きなベッドだった。
枕が二つあって。大人二人なんて余裕で入れるくらいだ。
なんてたって上に屋根があるんだ。回りは薄いカーテンが引かれていて、なんだか病人みたいだ。

カーテンをめくってみたらとてつもなく広い部屋だった。
おかしい。明らかに昨日いた場所とは違う。
昨日は木でできた小さな家に思えた。なのに、ここはアンティークな高級感溢れる豪邸だ。
どこか冷たいその空間に俺は寒気がした。
こんなだだっ広い場所に一人きり。急に不安になった。

「パパン…パパン…!!」

必死にあの黒い影を探した。
だが、彼はどこにもいなかった。