さ、俺らも帰るか……

と、まちまちにファミレスの駐輪場に止めた自転車に跨る者、駅に向かって歩く者、やっぱ俺らなんか食ってくは…と店に戻る者、それぞれが動き出した時、

最後尾を遅れて歩いていた女子が一人、何かを思い出したように振り返り、俺の方へ向かって歩いて来た。

何で、俺かって?

何故って、そいつが

「タカギさん、あたしあなたの彼女になってあげてもいいですよ」

って、俺の目のまん前まで戻って来て、そう言ったから。

「へ?」

俺は、あんましびっくりしたもんで、素っ頓狂な声出して、呆けてしまった。

その女は、そんな俺を見て、

「やっぱり、タカギさんて、見かけほど軽い人じゃないみたい」

って、笑いやがった。

こいつ、何様だ?