「えぇ~、トウジョウくん、帰っちゃったのぉ~」

ファミレスの一角を占めた打ち上げの席で、
俺は城西女子の面々からブーイングを受けていた。

「代わりに、僕がもどってきたじゃん」

とびっきりのスマイルで愛想を振りまく俺。

「俺達だって、いるじゃん……」

情けない声で顔を見合わせ、ぼやく他の部員達。

何で、あの堅物の忍がもてるんだ……

俺まで、残りのこいつらと同じ扱いかよ……

「ねぇ、ねぇ、なんで『シノブ』なのさ?」

俺は、女子の固まる席の間に無理やり割り込み、ドリンクバーから携えたコカコーラ片手に聞きまくる。

「だってねぇ~」

城西女子の面々は顔を見合わせながら囁き合う。