「お前なぁ……

この打ち上げ、後はお前に任せたからな!

俺は、帰る」

俺は頭に血がのぼったまま、勢いで外に飛び出そうとした。

上着も荷物も、持たないままで。

「ちょっと待てよ、荷物、取ってきてやっから……」

何考えてんだ、敦のやつ……

俺は怒り沸騰のまま拳を握りしめ、
ドアの向こうへ消えていく敦の後姿を睨みつけた。

『渚にキスしただとぉ……

って、あいつは拒まなかったってか?

まさか、交際申し込んで来た奴なら誰でもいいとかないよな…

確かに敦の奴ぁ、顔もいいし、女たらしだし

渚のやつ、上手いこと丸め込まれたんじゃ……』

急激に引いていく血流が、心臓を打ち鳴らす。

まさか……まさか、な……