「ナギサちゃん?」

その声は明らかに忍ではないけれど……

名前を呼ばれて無視するわけにはいかなくて、
振り向くとそこには、忍のチームメイトが立っていた。

確か……
名前は高田敦、ミッドフィルダー。

「タカダくん?」

「あっ、名前覚えてくれてたんだぁ~嬉しいな。
シノブはちょっと外せないから、僕が代理で送るよ」

「えっ?」

「シノブの命令」

「何? それ?」

明らかに不機嫌なあたしをよそに、
彼、高田敦は眩いばかりの笑顔であたしに向かってきた。