城南の校門の前には、バイクを止めた雄一が待っていた。

「あ、ユウイチ、お待たせ」

舞は小走りに雄一に駆け寄ると、その頬にキスをした。

も~、あたしが落ち込んでるっていうのに、ラブラブを見せつけないでよぉ~

「あれ、ナギサ、シノブは?」

舞の腰に何気なく腕をまわし、雄一があたしに視線を移す。

「ユウイチ、信じられる? 試合の応援呼んどいて、自分はこれから女子応援団と打ち上げだって……」

舞が雄一を見上げながら、怒って言った。

「マジかよ……そんで、ナギサ、元気ないんだ……」

今日の試合のことも含め、舞から聞いて事情を知ってる雄一は、デートを夕方からにずらして、舞をあたしに貸してくれた。

舞の彼氏、坂井雄一も実は小学校の同級生。

だから忍のことも良く知っている。