「トウジョウさ~ん、
これから打ち上げ行きますけど、参加してくださいよ~」

鼻にかかった猫なで声で、俺の名を呼ぶ女の気配。

「な、なんだ?」

振り向くと、厚化粧に貼り付けたような笑顔の女。

「城西女子の柏木ですよ~城南応援団の!
んっ、もう、トウジョウさんたら、今日は勝ったんだし、
トウジョウさんキャプテンなんだし、絶対ですよ!」

「(キャプテンね……)あ、わかった……」

軽く手を挙げて応え、渚を振り返る。

目の前には、拗ねて膨れた渚の不細工な怒り顔。

「あんたね、ほんと、馬鹿」

「な、なんだと?!」

声の聞こえてきた方に目をやると、飯島舞の呆れて俺を見る姿があった。