『ピィ~ッ』

試合終了。

ノーサイドを知らせるフォイッスルがグランドに鳴り響く。

結果は2対1で城南の勝利。

汗にまみれ、明星の健闘を称えて肩を叩き合う。

勝利を祝う歓声の中、俺は渚の姿をグランドの端にみつけた。

流れる汗をタオルで拭いながら、目に捉えた渚に向かう。

「おい、どうだった?」

寒さと、若干の興奮に、渚の頬は上気してほんのり赤く染まっていた。

「おめでと、括弧良かったよ」

俺は、なんだか照れくさくて、

「あたりめぇだろ……」

そんな言葉しか口にできないまま、頭を掻いた。

と、その時