「あっ、ナギサ? お前、今これる?」

――やっべぇ、いたよ。

「なにさ、友達きてるんでしょ」

――なんで、そんなことお前が知ってんだよ。

「嗚呼、お前のこと紹介しろってさ」

「ふん、あたし見世物じゃないよ」

――そうだ、そうだ、来るんじゃねぇ。

「あっ、ナギサちゃん? 俺、アツシ。ミッドフィルダー。こないだ駅で会ったでしょ。ねぇ、顔見せてよ、ちょっとでいいからさ」

突然、俺の携帯を奪った敦が勝手にしゃべり出す。

「あ、うん、じゃ、まぁ、ちょっとだけ」

……微かに聞こえる、渚の声。

てめぇ、来る気かよぉ……