「なぁ、アツシ、俺もナギサのことでなんかあったら、お前にだけは相談するし、お前も俺には隠すなよ」

帰り際、忍がやけに真面目な顔でぶつかってきやがった。

「あぁ、俺はいつでも相談に乗ってやるよ」

「だから、そう、はぐらかすなよ。俺だって、お前の役に立ちてぇんだ」

こいつ、どこまでも真っ直ぐな奴だな、と、俺は胸をギュッと掴まれたように動けなくなった。

「嗚呼、わかった、そん時は頼むわ」

やっとのことで返した言葉に、

「俺はお前のこと親友だって思ってる」

追い討ちを駆けるように忍の奴、そうほざきやがった。

「俺だって」

麗といい、忍といい、俺は反則技繰り出す奴に弱ぇんだ。

「大事にしてやれよ、レイちゃんのこと」

「当たりめぇだろ、初めて大切にしたいって思った娘なんだ、放すかよ」

「あ? やっぱり渚にはちょっかい出しただけか? あ?」

「それと、これとは、話が違うだろって」

「まぁ、いい、忘れてやる。感謝しろ」

忍と肩を並べて歩きながら、これからのことを思う。

俺と麗、

忍と渚ちゃん、

これから歩む恋の行方を思う。

絡まった糸、

これから紡がれていく関係、

俺達の未来。

何かあったら、俺もお前にも相談する。

だが、誓いが前提だ。

いつまでも、仲良く、共に歩むことを……俺は誓う。



俺達の恋の行方は、きっとその先にある。


<完>