カフェを出て、渚と手を繋ぎ、家に向かって歩く。

なんか、こういう関係で、いつもの道を歩くってなんだか妙に恥ずかしい。

誰かに会わねぇか、とか、親に見つからねぇか、とか、そんなことばかりで手に汗が滲む。

やっと、家が見えてきて、ホッとした。

「あ、ナギサ、おれんち寄ってく? この間のニュージーランド戦、録画してあっけど」

俺のいつもの問いに、渚も自然に「うん」と答える。

俺は居間に入ると、いつもの様にテレビのスイッチを付けてソファに腰を降ろす。

隣りにチョコンと座った渚は、なんかいつもと雰囲気が違う。

そっか、今日はスカートだからな。

「お前、気になるなら、Gパンに履き替えてこいよ」

俺は親切のつもりで、そう言った筈なのに、

「シノブの馬鹿……」

渚に凄い顔で睨まれた。

「せっかくお洒落したのに……あたしのスカート姿なんて、この次、いつお目にかかれるかわかんないよ!」

怒って、立ち上がる渚の腕を、俺はやっとのことで掴まえた。