「おい、敦、なにやってんだ」

渚と待ち合わせした駅前で、渚と並んで話し込む、敦を目の前に睨みつけた。

「何って、きっちり断られただけ」

敦がヘラヘラと笑って答える。

「あぁ、あれね」

「そうだよ、あれ」

まっ、どうせ俺は当て馬だからね、と敦が笑って俺の肩に手を置いた。

「で、そっちは? これからどちらへ?」

敦の奴、だいたいの事情は知ってる癖に、俺をからかうつもりだな。

余計なお世話だ、お前にゃ、関係ねぇだろ。

俺が敦と睨み合ってると、

「シノブとね、ペアリング買いにいくんだ」

隣りで渚が俺の代わりに答えやがった。